こんにちは。岐阜で動画制作を行なっている井村 旭宏と申します。
普段は映像の企画から撮影・編集・納品までを一手に手がける「ビデオグラファー」と呼ばれるスタイルで、企業から個人まで映像を活用したブランディングやプロモーションのお手伝いをさせていただいています。
さて、今回はフリーランスの映像クリエイターにはどうしたらなれるのか?その方法について、自身の経験を交えてお伝えしたいと思います。
映像に限らず、クリエイターとして独立するためには「2つの基盤づくり」が大切だと考えています。それは「技術的な基盤」と「経済的な基盤」です。僕自身、この2つの基盤をある程度築くことができたタイミングで独立に踏み切りました。では、それぞれどのように築いていけばよいのでしょうか?
どのような分野であっても、基本は「インプット」と「アウトプット」の繰り返しによって技術は磨かれていくものだと思います。
映像の場合、インプットは何だかんだYouTubeが最強だと思います。僕は通勤時間や昼休憩の時間にチュートリアル動画をひたすらに観漁りました。決してスクールを否定しているわけではなく、スクールのメリットは最短ルートで効率的に学べるということだと思います。お金を払ってもいいから1日でも早くプロになりたいという方はスクールに行くのが手っ取り早くて良いと思います。ある程度、時間がかかっても大丈夫という人はYouTubeなどの無料のコンテンツだけでも十分に学べます。自分が欲しい情報をあれこれと探すのも、意外と大事なコトだったりします。
ただ、YouTubeは上級者向けのニッチな内容になってくると途端に情報が減ってくる印象です。ある程度知識が溜まってきたら、YouTubeだけではなく書籍やネット記事などにも目を通して、複合的に情報収集していくのがおすすめです。
まずは、身の回りのものから撮影してみましょう。僕の場合は家族を撮りました。週末になれば子どもたちをどこかに連れていく必要があったので、子どもと出かける時は必ずカメラを持ち歩くようにしていました。撮影して、編集して、SNSに上げる。その際にインプットで得た新しい知識や技術は積極的に使っていく。最初はこれをひたすら繰り返しました。SNSに上げるとリアクションがもらえるので、モチベーションにもなります。また、SNSに上げる動画のクオリティが上がってくると、それを観た知り合いから「映像を撮ってくれないか?」と頼まれることもあったりします。
身近なものを撮影して、ある程度撮影や編集の技術が身についてきたら、他人のための映像制作に挑戦してみましょう。自分の家族や風景を写した作品だけでは、独立した後のポートフォリオとしては通用しないため、実績づくりのためにも、より仕事に近い状況で誰かから依頼されて映像を作るという経験をする必要があります。僕の場合は、広報という立場だったので新商品が出た際や展示会に出展した際などに、「映像を作らせてもらえませんか?」と社内提案し、映像制作の機会を増やしていきました。ただ、広報じゃなくてもご自身が所属する職場で何か映像にすると良さそうなものがあれば提案してみる、営業の方であれば得意先で何か映像を無償で作らせれもらえないかと提案してみる、など置かれた立場によって色々と方法はあると思います。
もちろん仕事上だけで探す必要はなく、結婚する予定の友人がいれば披露宴で流す映像を作らせてもらう、行きつけのカフェや美容院などにお願いしてPR映像を作らせてもらう、地元のお祭りを仕切っている人にコンタクトを取ってお祭りのドキュメンタリー映像を作らせてもらう・・・など、勇気を持って一歩踏み出せば、映像を作る機会というのは案外生み出していけるのでないかなと思います。
このようの方法でインプットとアウトプットをぐるぐる回しながら、制作実績を積み上げていくことで技術的な基盤は築いていけると思います。
「技術的な基盤づくり」は様々なところで語られのに対して、この「経済的な基盤づくり」については意外と語られることが少ないような気がします。個人的には「見える化」と「貯蓄」の2つのステップがあると捉えています。
まずは家計簿を付けてご自身の収入と支出をすべて見える化しましょう。お好きな家計簿アプリをスマホにダウンロードして、使用している銀行口座やクレジットカードなどをひと通り紐づければ、ほとんど自動で家計簿が作れます。僕はマネーフォワードMeを使っていますが、家計簿の付け方はこちらの動画がとてもわかりやすくておすすめです。
家計簿を付ける目的は、自分や家族が生きていく上での必要な月単位・年単位のコストを正確に把握するためです。いくら技術を積み上げようとも、独立が成功するか否かは結局はやってみないことにはわかりません。結果的にうまくいったとしても軌道に乗るまでの助走期間は絶対に必要です。独立するにあたっては、一定期間は稼げなくても問題ないよう、あらかじめ蓄えておく必要があります。では、具体的にいくら蓄えておけば良いのか?それを把握するために、家計簿で自分や家族が日々暮らしていくためのコストを正確に把握する必要があるわけです。
何ヶ月分の生活費を蓄えておくかはその人次第なのですが、少なくとも半年分は必要だと思います。ちなみに僕は、2年間は無収入でも問題なく暮らせるだけの経済的基盤を作りました。いったん2年間はお金のことは必要以上には考えず、思い切って行動したいと思っています。仮に2年間やって見通しが立たないようなら、その先の身の振り方はその時に考えれば良い話です。特に開業当初はメンタルの浮き沈みはどうしてもありますので、お金の面での心配を減らしておくというのは本当に重要なことだと思います。
家計簿を付けるというと「めんどくさ~」と思う方もいるかもしれません。ただ、独立したら個人だろうが法人だろうが帳簿を付けて日々の経営状況を把握する作業は必ず必要になります。本気で独立を目指している人は、練習だと思って家計簿を付けてみることを強くお勧めします。
以上が、僕が考える独立するためのロードマップです。いかがでしょうか?ちなみに僕の場合は、子育てをしながらということもあったので、基盤を築くまでに3〜4年かかりました。ただ、取り組み方次第では1〜2年でも基盤を固めることは十分可能だと思います。
以上、長文の記事となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。もし、あなたが映像クリエイター(あるいはそれ以外の職種でも)として独立を目指されているとしたら、心の底から応援しています!